2000年7月1日:TV観戦
 日本ボクシング界の中でも強豪ひしめく階級のひとつであるフェザー級タイトルマッチは、お互いの実力を十二分に発揮された好試合でした。
 試合が決まった5Rは、チャンスとピンチが行ったり来たりして、見る側も目の離せない状況で、ボクシングの面白さが凝縮されたようなラウンドでした。勝った木村ですが、チャンピオンになって逞しさを感じました。1,2Rは挑戦者の奥田に固さがあって、木村がポイントをあげましたが、3,4Rは逆に奥田が強打者の片鱗を見せ、的確なパンチでポイントを挽回、そして迎えた5R、最初にチャンスを迎えたのは木村で、右で奥田をグラツかせ、一気に攻めこもうとすると、奥田の左フックがカウンターになって木村がダウン、カウント8で再開後逆に奥田が勝負を決めようと一気に攻めこもうとするが、焦りがあるのかパンチがやや粗くなって決定打を決めることが出来ず、逆に木村のタイミングの良いパンチが徐々に奥田を捕らえだし、1分30秒すぎに木村の右がカウンターになって奥田がグラツく、形勢は一気に逆転して木村の強烈な右がヒットすると奥田が前のめりにダウン、カウント8で再開となり、木村の容赦ない連打が奥田にヒット、奥田も反撃を試みるものの、木村の勢いが勝り、最後は木村の左フックと右フックがヒットし、奥田の膝が揺れたところで浦谷レフェリーが試合をストップしました。どちらかというと淡白なボクシングという印象が強かった木村ですが、ダウンを喫しても慌てずに、チャンスをKOに結びつけたあたりに成長を感じました。チャンピオンになって欲が出たのかもしれませんが、とにかく今までの木村の印象を一変させた試合でした。ただ、難を言えば少し打たせ過ぎるのが気になりました。元々、固く器用なボクシングができる選手ではありませんが、もう少しディフェンス面での成長が欲しいように思いました。
 一方敗れた奥田ですが、大きな試合での経験不足が大事なところで出たように思います。関西から強打者ぶりを評価する声を多く聞きましたし、戦績的には申し分ないように思いますが、やはり大きな会場で、強豪との対戦がなかったことが、チャンスの場面での焦りを生んだように見えました。パンチのある選手ということは証明されましたが、如何せんボクシングが固すぎるように思います。経験を積むこととボクシングに柔軟性が出るようになれば、タイトル獲得も夢ではないと思います。それと、今回の試合に関して言えば、5Rのダウンを奪ったあとに、上下の打ち分けもなかったですし、木村をロープに詰めることができずにリングの中央で戦ってしまったことも敗因ということになるでしょう。いずれにしても奥田に必要なのは経験ということになると思います。大阪だけで戦うのではなく、これからの試合は後楽園ホールのリングでもやるということが大切なように思います。