
1998年7月26日:名古屋市総合体育館
飯田の試合を見にまたまた名古屋に行ってきました。
さて試合ですけど、5Rがひとつの山になりそうな気がしていたのですが、当たらずとも遠からずと言った感じがしました。私の採点は114ー113で飯田でしたが、どっちの手があがっても恨みっこなしよ、と言う感じの試合だったことは否定しません。試合が終わった瞬間後ろの席で見ていたカバトが「Iida Win」と言っていましたが、私も何とか勝った、悪くても引き分けという感じがしました。飯田自身、試合後「また、同じ試合をしてしまった」と反省していましたが、前半、ガンボアに攻めさせてスタミナをロスさせたあたり、なかなか頭脳的でよかったように思いました。スッキリ勝てればいいのでしょうが、世界ともなれば実力差はほとんどありませんから、こういう試合が続くのも仕方ないでしょう。写真判定チャンピオンと言われようが、この世界は勝つことが一番大切なこと、そんなことを改めて認識させられるような試合でした。TVで見るとまた違った感じになるのかもしれませんが、判定は文句ないでしょう。何しろ今回は、ガンボアと同じ中南米のジャッジが2人とも飯田の勝ちとしてるのですから・・・・
一方、ガンボアですが、前半こそ思い切ったボクシングをしてきましたけど、ややスタミナ不足でした。3Rにバッティングで目を切った不運もありましたが、前評判ほど怖い選手という感じがしませんでした。調子の波の大きい選手とは聞いていましたけど、試合中に大きな波があっては勝てないと思いました。あとしいて言えば気が少し弱いのかなとも感じました。確かに出血がひどくて目に入るなど不運と言えば不運だったかもしれませんが、中盤以降自分に自信が持てなくなってズルズルと飯田ペースになった感じがしました。
とにかく最強の挑戦者を撃退したわけですから、飯田にはもう少し自信を持って戦って貰いたいですね。TVで放送されたかどうかわかりませんが、日本チャンピオンの名護が挑戦状を出しています。井岡との再戦の話もあるようですが、飯田vs名護の試合も見てみたいですね。この前の名護の出来なら、飯田にも十分勝機があるでしょう。
飯田vsガンボア戦のセミファイナル行われた日本フライ級タイトルマッチは、チャンピオのスズキ・ガバトが、勢いに乗る浅井勇登の攻めをベテランらしい老かいなボクシングで終盤ポイントを重ねて判定勝ちを収めました。いつも言ってることですが、浅井は強いパンチを当てようとしすぎ、もう少し捨てパンチを使うことを覚えないとカバト・クラスの選手にはこういう結果になってしまう。それと今回気になったのは、これも焦りからくるのかもしれないが、攻めるとき顎が上がってしまっていた。このあたりを直さないと、チャンピオンには手が届かない可能性もあるだろう。ディフェンスもそうだが、全体的にバランスというものを考えたボクシングをして欲しい。
一方のカバトですが、相変わらずいやらしいという表現がピッタリのボクシングをしますね。老かいというのかしたたかというか、とにかくいつ見てもタイトルを守るという気迫を感じます。カバトとやって勝とうと思うなら、相当気合いを入れないと勝てないのではないでしょうか?中途半端なボクシングをすれば、カバトの思うつぼでしょう。派手さはないですが、カバトのボクシングもまた味があると感じました。
その他では、セントワが元OPBFバンタム級チャンピオン、高仁植を全く寄せ付けず3RTKO勝ち。スピード、パワーどれを取っても今の日本人で勝てる選手はいないと思います。ただ、気掛かりは打たれ強さとハートの面。かつてヨネクラにいた、イコニのようでなければいいと思うのだが、老婆心かもしれないが、大いに気になるところだ。また、もう一つの10回戦は、緑ジム移籍2戦目の元日本チャンピオン、戸高が、最終ラウンド連打で2階級上の延山にTKO勝ち。途中スイッチして左フックを決めるなど、戸高の巧さが光った試合でした。
1998年7月20日:後楽園ホール
確かに名護は苦戦しました。でも、相手が喧嘩を持ち込んだ状況では、へたに頭なんか叩いて拳を痛めるよりはましだと思いました。ただ、名護と言う選手は、恐らくオーソドックスのラフ・ファイターには苦戦すると思います。元来右利きのサウスポーで、左ストレートの軌道がイマイチですから、左のストレートがもう少し進歩すれば、巧く捌けるようになるでしょうが、今のままでは苦戦必至です。いつも言われていますけど、課題はやっぱり左ストレートでしょう。世界挑戦はまだまだと言う声が支配的でしたが、村越のようなボクシングをする選手はそうはいないので、そんな心配することないと思います。幸いに現在の世界チャンピオンはWBA・WBCともサウスポーだけに、チャンスはあると思います。いずれにしても今日の名護の出来は、60点くらい。反省点は名護自身がわかっているでしょうから、それを次に活かして欲しいと思います。
一方村越ですが、かき回そうとしてラフ戦法をするのは一つの作戦だと思いますが、でも本来の細かく手数で圧倒するボクシングを見せて欲しかったですね。後楽園ホールのリング上は喧嘩をする場所ではありませんので、そこを勘違いしてほしくなかったですね。村越応援団の方には申し訳ないですが、今日の村越の攻め方はボクシングではなかったですね。どんな相手でも自分のボクシングを忘れると勝てる試合も勝てないものです。10Rにヘッディングで減点を取られましたが、全体としては善戦したと思います。村越には体全体で突っ込むのではなく、バランスということを意識したボクシングをして欲しいですね。それが出来れば日本チャンピオンに手が届くかもしれませんよ。
話は変わってセミファイナルは、タフな前田に、武田が自爆を演じてしまいました。焦って攻める必要のないところで無理に倒しにいくから、貰わなくてすむカウンターを貰ってKO負けするんだよ。それにしても前田はタフネスには驚いてしまう。しかし、いつまでも肉を切らせて骨を断つボクシングを続けられるわけがない。もう少しかわすとかブロックするとか覚えなければいつかは痛い目にあうと思います。武田には通じた戦法も、小野に通用するかな・・・。一方、武田ですが、調子に乗り過ぎて痛い目にあいましたね。ダウンこそしなかったけど、2Rにも同じ失敗してるのだから、2度同じ事したら勝てるわけないよ。何だかんだいっても相手は元日本チャンピオンなんだから・・・。食わなくていいパンチは絶対食わない事。負けて覚えるのもボクシングということで、今日の事は早く忘れてしまいなさい。
8回戦には、3月30日モアイ・小西に5RKO勝ちした平戸が登場したが、2Rにダウンを奪われるなど、終始押され気味の展開で判定負け。3月の時に比べてスピードと全体的な切れ味がなかったですね。勝った佐藤は、落ち着いて相手を見ていればKO勝ちできた試合だ。チャンスでもっとたたみかける詰めを覚えて欲しいですね。
それにしても名護の人気は凄いな〜〜〜。祝日とはいえ後楽園ホールが第二試合の時点で満員になったのは、ちょっと記憶がないです。期待通りの結果は出ませんでしたが、苦戦する事も勉強ですから、今日の苦戦で学んだ事を次に活かして欲しいですね。それと、森田さん、今日の試合で98−96の採点はないですよ。10Rの減点がなければ1点差なんて試合じゃなかったですよ。
1998年7月13日:後楽園ホール
とにかくボクシングで、勝者に対してこんなに怒り覚えた記憶がない。今回の今岡は愛知県体育館にでも行った方がいいと思った。自分で安全運転のボクシングをしたとか、まだ10R戦えるスタミナがあるとかインタビューで答えられる神経を疑ってしまう。何が世界をやりたいだ!今回のようなボクシングで世界だと!ボクシングを舐めるのもいい加減にしろ!!今回は怒りしか浮かんでこない。「今岡」改め「忌々しい」にリングネームを変えて欲しいな。
試合についていえば、思い出すのはサラサス・レフェリーがクリンチを分けようとして両選手ともつれて、後頭部をキャンバスにしたたかに打ちつけた場面とデュランのセコンドが、今岡のクリンチに怒って、サラサス・レフェリーに減点を迫って、殴りかかるといったボクシングの珍場面くらい。確かに4Rに今岡がダウンを奪ったようだが、それ以外はボクシングをしてたのかというくらい見所のない試合。それだけ書く事がない〜。ま、今回だけは見逃してやる!次の試合で納得いかなかったら、リングから引きづり降ろしてやる。覚悟しておけ「忌々しい」君。ちなみに公式採点はサラサス・レフェリーが116−116、フィリピンのガルシア・ジャッジが114−113で今岡、日本の森田ジャッジが117−116で今岡。ちなみに私の採点は114−113で今岡の勝ちでしたけど・・・
セミは「ハード・パンチ・ドランカー(^^;」笠木が、最近好調の手塚と対戦。激しい打ち合いだったが、パンチ力の差で笠木の勝ち。お互いに打たせないことが課題。面白い試合ではあったが、レベルは日本ランカー同士の試合としてはお寒い試合でしたけど、メインがメインだっただけに、今思うと非常にいい試合に感じられる試合だった。
その他ではアメリカのリングで活躍中の平原直弥(三迫)が登場。2RKO勝ちしたが、全体的に動きが重く、切れも感じられなかった。とはいうもののチャンスでの詰めは非常に良かった。
1998年7月4日:後楽園ホール
金内がチャンピオン・ベルトを逸した。試合内容的にはほぼ互角だっただけに、残念としか言えないような試合だった。試合は立ち上がりからペースが行ったり来たりする展開だった。金内にとっては、最後の最後まで自分のペースを掴めないもどかしさを感じていた試合だったように思う。試合が大きく動いたのは6R。杉田が一気の連打で金内をKO寸前まで追いつめる。ここでの金内は冷静に相手の動きを見ながらパンチをかわしているようにも見えた。杉田はこの連打攻撃で一気にスタミナをロスする結果に・・・。7Rは逆に金内が右のフック、左のストレートを杉田に決める。ラウンド終了時の杉田は、完全に意識が朦朧としているようだった。恐らくこのインターバルで杉田陣営は、8Rに勝負を賭けるという一か八かの作戦を決断したのだろう。倒れてもいいという杉田の気迫が、勝負を唐突に決めてしまった。金内のガードが一瞬開いたところに杉田渾身の右ストレートはヒット。金内は真後ろに倒れた。昨年、ジムの先輩である葛西裕一が、アントニオ・セルメニョにKO負けしたした時のシーンを思い出させるような倒れ方だった。金内も必死に立とうとするが、完全に脳震盪状態で体の言うことが効かず、結局カウント・アウトされてしまった。
正直なところ杉田もいい選手であることは、2度ほど実際に見て知っていたが、これまでの両選手のキャリアを考えると杉田が勝つという予測は出来なかった。ただ、展開が金内がこれまで唯一の敗戦を喫している玉崎義和戦のようになれば、少し可能性があるように思っていた。結果的にはそれに似たような展開で金内がKO負けしたわけだが、金内の一瞬のスキを見逃さなかった杉田のセンスを評価したい。しかし、今回は一か八かの作戦が成功したが、今後の試合で毎回うまくいくはずがない。そういうことを念頭において作戦を組み立てるべきだ。そのためにもスタミナをつけることが杉田の課題だ。スタミナがつき、試合のペース配分を覚えた時、杉田は今、スーパー・フェザー級サバイバルマッチで一歩先行く畑山隆則選手を、脅かす存在となるように思う。ハートもいいだけに今後が楽しみな選手だ。一方、敗れた金内だが、少しボクシングが雑だったように思う。確かに左右のパンチを強く振るのがこの選手のいいところでもあるのだが、やはり細かな攻めをマスターする必要がある。それと精神面での立て直しも必要だろう。技術的には杉田以上のものを持っているだけに、もう一度雄姿を見せて欲しいと思う。でも、金内って何となくベルトに縁がない選手のようにも思える・・・。
セミファイナルは小林姓同士の戦い。元チャンピオンの宏が、3ヶ月前の試合で、タイトル挑戦に失敗しこの試合が再起戦のセレスを、得意の接近戦で苦しめるが、それだけ。手数では劣ったが有効打で勝ったセレスが、何とか判定を握ったが、とても10回戦の試合とはいえないお寒い内容の試合だった。
1998年7月3日:後楽園ホール
ネット界の人気選手、細谷厚志選手(オークラ)が登場した。不運なダウンもあったが、3−0の判定負け。A級トーナメントから姿を消した。試合のポイントは何と言っても4R。3Rに足が引っかかって倒れたのをダウンと取られる不運もあったがこのラウンドの終盤に反撃して、あわや逆転KOというところまで攻めた。そして4R、一気にKOを狙って細谷選手が猛攻。入沢選手がこれを必死に堪えると、ラウンド終盤、細谷選手のスタミナが切れてKOできず。4Rでスタミナを失った細谷選手だが、5R、6Rの入沢選手の攻撃に耐えて判定まで持ち込むも、3人の審判が2〜3点差をつける判定負け。どちらも終盤はフラフラだっただけに、最後の2R攻め続けた入沢選手の手が挙がる結果となった。正直なところ細谷選手が今後ライト級で戦うのは難しい感じがする。今回スタミナを失った原因は過酷な減量にあったように思う。スーパー・ライト級、もしくはウエルター級になるのかもしれないが、思い切ってスーパー・ウエルター級でやるのもひとつの手のように思う。現在のスーパー・ウエルター級の選手層なら、細谷選手も十分やって行けるように思う。