1999年4月28日:後楽園ホール

 カズが7月に予定されている五月女とのリベンジマッチの前哨戦を、5RKO勝ちを収めました。5RKOで勝ったといっても、内容的には先が明るくなったと言えるものではありませんでした。今の状態では、日本タイトル奪取は難しい感じがしますし、次の五月女との試合も勝つのが難しい感じがしました。最近のカズを見ていて一番悪いのは、相手のパンチを非常に怖がっていることで、今回の試合でも、相手が打ち気になると下がってしまって防戦一方になってしまう場面しばしば見られました。また、接近戦になると相手の懐に手を差し込んで揉み合いに終始していました。レフェリーはバサロのホールドばかり注意していましたが、現実にはカズが強引にくっ付いたための揉み合いであり、カズの肘打ちやバッティングも注意すべきだったと思います。また、攻めのときには踏み込みができておらず、自分の距離がなかなかつかめない感じでした。しかも攻めに回っても手数が出ないとくれば、これから先のカズが楽しみだと思えと言うほうが難しいと思いました。相手のバサロも距離感が悪く、攻めづらそうだったことも幸いして最後は連打で倒したものの、たまたま良いパンチが当たっただけで、自分でチャンスを作って倒したという感じはしませんでした。カズの試合は見るたびに内容が悪くなっていきます。ボクシングに集中できていない感じもします。このまま終わってしまう感じを受けたのは私だけではないでしょう。
 セミファイナルでは、草加有沢ジム期待の大久保が、1R右フックを相手の顎に決めてKO勝ちを収めました。時間も短かったこともあって良くなったのかどうかはわかりませんが、このKO勝ちは偶然パンチが当たっただけと思ったほうがいいように思います。

1999年4月27日:後楽園ホール

 メインの日本ウエルター級タイトルマッチは予想できた結果ではあったのですが、両者の差がこんなにあるとは思いませんでした。
 試合ですが、立ち上がりすぐは佐伯もプレッシャーをかけていたものの、スピード差は歴然としていました。すぐに加山がジャブで突き放しにかかりました。佐伯はこのジャブよけることができず、試合は加山ペースで進みました。そして4R終了間際加山の右ストレートがカウンターになってヒット、続けざまに左フックがヒットして佐伯は腰から落ちるダウン。何とかゴングに救われたものの、5R開始早々加山の連打がヒットしたところで、森田レフェリーが試合をストップしました。
 チャンピオンの加山ですが、左ジャブ、右のストレート、フックのコンビネーションが良かったと思います。特に左ジャブはストレートと言っていいほど威力があり、佐伯は何度も膝が揺れていました。また、手打ち気味だったパンチにも押し込みができるようになって、威力も増した感じがしました。本人も試合内容に満足していたようですが、こういう試合が続けてできるようになれば、安定チャンピオンになれると思います。ただ、あえて苦言を呈するとすれば、ディフェンス面でガードが下がりすぎるところがある点を直して欲しいと思います。今回の佐伯はスピードがなかったので、ノーガード気味の打ち合いを挑んでも良かったですが、同じ程度のスピードを持っている選手と戦った場合、簡単にカウンターを取られてしまうように思います。それと上体が固い選手ですから、パンチを貰わないようにしないと思わぬピンチを招くように思います。
 3度目の挑戦も実のならなかった佐伯ですが、正直言ってこんなにスピードもパワーもなくてボクシングが下手だったかなと首をかしげてしまいました。昨年6月以来10ヶ月ぶりの試合ということで、試合感が鈍っていたのかもしれませんが、いずれにしても佐伯らしさというものが感じられませんでした。会場のファンからは「お前のパンチが当たれば相手は倒れるぞ」という声が掛かっていましたが、あれだけスピード差があると当たらないでしょう。正直言ってロートル・ボクサーといった感じがしました。パンチがある選手だけに期待していたのですが、スピードもなくなってしまいもう限界という感じがしました。
 セミファイナルでは昨年12月、西岡利晃と日本バンタム級タイトルを争い逆転KO負けを喫した渡辺純一が、ノーランカーの平丸と対戦、パワーの差を見せつけて4RTKO勝ちを収めましたが、試合内容は今ひとつと言った感じがしました。渡辺の最大の欠点は、パンチに強弱がつけられないこと。すべて強いパンチを当てたいという気持ちもわかりますが、それではなかなか倒せないばかりかスタミナをロスさせてしまうことつながると思います。右でも左でも倒すパンチがあるのですから、それを生かすことを考えるべきだと思います。パンチに強弱をつけるだけで、相手にとっては脅威になるように思います。それと今回も、相手にパワーがなかったから救われましたが、スタミナをロスしてダメージを受けていたのが気になりました。正直言ってあと2R勝負が続いたら勝負がどっちに転ぶかわからなかった試合だったと思います。一方、敗れた平丸ですが、渡辺のハードパンチによく耐えたと思いますが、攻めも守りも中途半端だったように思います。足を使うなら徹底的に使い、接近戦を挑むなら徹底的に相手の懐に入るようにすべきだった思います。今回の試合は、相手が格上の選手に挑むわけですから、渡辺のパンチは怖かったでしょうが、もっと徹底的に接近戦を挑めば違った結果になったように思います。
 8回戦では昨年10月、日本スーパー・フェザー級チャンピオン、真部豊に挑戦して敗れた鳥海が再起戦で、三浦と対戦し5Rにダウンを奪うなど快勝しました。しかし、何度もKOチャンスを迎えながら倒しきれなかったことに不満を感じた試合でした。2R終了間際に倒すチャンスを迎えたあと、3Rの立ち上がりに倒しに行かなかったり、5Rもダウンを奪った後、残りが1分以上もあったのに倒しに行かないなどなぜ倒すチャンスに倒しにいかないのか、チャンスを無駄にしている感じがしました。こういう試合でチャンスに攻め切れないようでは、日本タイトル奪取など無理です。鳥海はこういう試合の連続だけに、成長を感じられませんでした。

1999年4月19日:後楽園ホール

 事実上、次期チャンピオンへの挑戦権がかかったランカー同士の一戦は、徳山が前半の貯金を辛うじて守って勝利を収めました。
 試合は立ち上がりからスピードに勝る徳山が、左ジャブ、右のストレートを的確に決めてポイントをリードしました。2Rには、木谷の左目上を切り裂き、4Rまでは徳山の一方的なペースでした。ただ、4Rあたりから木谷もスピードに馴れて徳山のボディを攻めて徐々にポイントを挽回しました。中盤から終盤にかけては、木谷が追って徳山が左ジャブ、右ストレートで突き放すという展開が続きました。終盤追い上げた分、木谷が有利かと思いましたが、判定は2−0で徳山の勝ちとなりました。
 勝った徳山ですが、前半は持ち前のスピードを生かしたボクシングをしていましたが、ボディを打たれてからは急激に減速してしまいました。パンチ力がある選手ではないだけに、もっともっとスタミナをつけて、フルに動き回れるようにしないと今後はやや苦しいように思います。それと動くことを意識するあまり、パンチが手打ちになっているのが気になりました。動くことも大切ですが、相手にダメージを与える攻めも必要だと思います。一方敗れた木谷ですが、敗因はセコンドの指示ミスだと思います。相手がスピードのある選手だけに、立ち上がりからボディを攻めていればもっと違った展開になったと思いますが、前半はほとんどボディへの攻めを見せませんでした。5R以降をみれば、セコンドが何故、早い段階から相手のボディへの攻めを指示しなかったのか疑問です。結局、徳山のスタミナ切れもありましたが、5R以降の木谷の攻めは良かったと思います。ただ、何といっても4Rまでの失点が結果的には痛かったと思います。パンチもある選手ですし、ハート面の強さも証明されたと思います。あとは戦術面での進歩を望みたいです。
 セミファイナルは昨年10月に1度グローブを交えているパーマーと玉置が対戦しました。前回の対戦では勝ったものの不覚のダウンを喫したパーマーは、今回玉置の左フックを警戒して、慎重な攻めに終始していました。立ち上がりこそ互角の展開でしたが、徐々にスピードの差でパーマーペースの試合に・・・。最後はパーマーの連打が面白いようにヒットしたところで、玉置のコーナーからタオルが入りました。手の内がわかっているだけに、パーマーの攻撃にもう少し工夫が欲しかったように思います。慎重に戦うことは悪いことではないですが、時には大胆な攻めも必要なのではないでしょうか?一方、玉置ですが、前回の左フックの残像が残っていたのかもしれませんが、長引けばパーマー・ペースになることはわかっていただけに、立ち上がりに思い切った攻めを見せて欲しかったように思います。ちょっと左フックにこだわりすぎていたように思います。
 もうひとつの10回戦は、ベテランと新鋭の戦いとなりましたが、お互いにラフな攻撃が目立ち、ランカー同士の試合にしては低レベルの試合でした。勝った諸岡ですが、日本タイトル挑戦を目の前にしている選手らしからぬ戦いぶりでした。今回の試合ではまったくと言っていいほど次に繋がるものがありませんでした。相手が格下ということもあったでしょうが、こういう試合を大切にしないと、タイトルマッチで十分力を発揮できなくなってしまいます。内容的には完勝でしたが、日本チャンピオンになるのだという気持ちが感じられなかったところに不満を感じました。敗れた中橋ですが、右にしても左にしてもフックにこだわりすぎているように見えました。このクラスの選手にしては一発のパンチ力のない選手ですから、パンチにメリハリをつけるなどの工夫をしないと、今より上のランクでの活躍は難しいと思います。それと、フットワークが使える選手なので、もっとジャブを使いながらストレートを打てるようになるともっと良くなるように思います。
 6回戦はともに東日本新人王を獲得した選手同士の対決でしたが、二ツ橋が久しぶりに勝利を収めました。晝間ですが、アウト・ボクシングが巧い選手が、中途半端な距離で戦っていたのが気になりました。いつもの晝間であれば簡単にアウトボックスできたと思いますが、相手が最近勝っていない選手ということもあって油断があったのかもしれませんが、終始相手のペースで戦っていました。仲との試合のイメージを引きずっているのかもしれませんが、早く晝間本来のボクシングを取り戻して欲しいと思います。勝った二ツ橋ですが、なかなか勝てなかっただけにこの1勝によって、ボクシングが変わるかもしれませんが、背が低いというハンデを逆手に取った戦い方を早く身につけて欲しいと思います。今のボクシングでは、8回戦以上を戦うのは難しいと思います。

1999年4月12日:後楽園ホール

 小野が前田に辛勝、辛くもタイトルを守りました。試合としては激しい打ち合いが少なく、お互いに牽制しあいで盛り上がりには欠けた感じがしました。
 勝った小野ですが、打ち合うとパワー負けすると思ったのか、スピード差を生かして左を中心に攻めを展開しました。正直言って、小野は右の拳を痛めていたのかもしれませんが、8Rまでほとんど右を使いませんでした。たまに見せる右も、左を返すための捨てパンチとして使っているようでした。さすがに最後の2Rは採点が微妙ということもあってか右を見せましたが、最後の最後まで右のパンチを強く打っている感じはしませんでした。ただ、最近の小野に見られないくらい慎重な戦いぶりで、前田にペースを取らせませんでした。最後まで我慢できたことが勝因だったように思います。もし拳を痛めていたのであればじっくり直して、次の試合に臨んで欲しいと思います。
 一方、敗れた前田ですが、最近内容のいい試合が続き、勢いがある感じがしたのですが、結局その勢いもタイトル奪取までは至りませんでした。小野にスピード負けしていたのは事実ですが、挑戦者なのですから相手に合わせるのではなく、自分からペースを奪うような積極性を見せて欲しかったように思います。前田の持ち味が発揮できるのは、打ち合いになった時なのにそれに持ち込めなければ負けと言われても仕方ないと思います。私の採点ではドローでしたが、やや前田有利の印象でした。しかし、立場あくまで挑戦者なのですから、最後の2Rを釈迦力に取りにいくボクシングをして欲しかったように思います。
 セミファイナルでは前日本チャンピオン、スズキ・カバトが新鋭の佐藤と対戦、5Rにダウンを奪われるなど苦戦はしたものの、最後は佐藤の目を腫れ上がらせてTKO勝ち。カバトのしぶとさが目立った試合でした。佐藤からするとやはりダウンを奪ったあとの6Rに勝負をかけられなかったのが敗因だと思います。逆に6R開始早々、ダメージがないかのように攻めて出たカバトの経験にごまかされたということになるのかもしれませんが、いずれにしても経験というものの重要性を改めて認識されられた試合でした。
 その他の試合では、新人王の予選にかつて日本タイトル2階級制覇を達成した友成光の息子、龍が登場。デビュー戦を1RKO勝ちで飾りました。ボクシング自体はまだまだ粗削りでしたが、構えなどは父親によく似ていました。激戦区のフェザー級での新人王挑戦ですが、これから先、試合をこなすごとにどう成長するか楽しみです。

1999年4月9日:後楽園ホール

 フェザー級の1,2位対決は、消化不良の引き分け試合となりました。
 試合は立ち上がり、萩原が軽快な動きで木村を翻弄、ポイントをリードして始まりました。木村は立ち上がりやや動きが固く、萩原のスピードに戸惑っている感じがしました。ところが3R、偶然のバッティングで萩原の左目尻が切れたあたりから試合の流れが木村に移り出しました。恐らく血が目に入って萩原は、距離感がつかめなくなったのでしょう、それまで空を切っていた木村の右が的確にヒットするようになりはじめました。萩原はジャブをついて距離を保とうとしますが、木村のプレッシャーにジャブが効果を見せず、中盤以降は完全な木村ペースとなりました。ただ木村も、右から左を返す攻めができず攻撃が単調なため、萩原を倒すところまで攻め込めませんでした。一方の萩原は、出血に苦しみながらも時折左のストレートで応酬はしていましたが、こちらは的確さを欠いていました。試合は萩原の出血がひどくなり、10R途中で試合停止となり、9Rまでの採点で三者三様の引き分けとなりました。ランキング1,2位の対戦にしてはやや物足りなさを感じました。萩原ですが、この選手の生命線はやはり右のジャブと左ストレート。接近戦が巧い選手ではないですから、相手との距離を保つようにしないといけないと思います。目尻を切った不運もありますが、ここ2試合の内容は萩原らしさが感じられないのが気がかりです。木村ですが、相変わらず上体が固いのが気になりました。攻めていっても上体が同じ場所にあるため、相手の反撃を食いやすい姿勢はいつまでたっても直っていないです。足がある選手ではないですから、もう少し上体を動かして相手の目先を変えるようにしないと相手に攻撃パターンを読まれてしまうように思います。また、左の返しを打てるようにならないと、木村くらいのパンチ力ではなかなか決定打を奪えないように思います。
 セミファイナルでは、ランキング1位に浮上して、日本タイトル再挑戦が見えてきた尾高が、新鋭の堀江と対戦。前半は、堀江の右ストレートに大苦戦したものの、中盤以降、ボディからの攻めで堀江のスタミナを奪って2−0の判定勝ち。数少なくなった昭和時代デビュー選手の意地を見せた試合でした。とはいうものの、相手のパンチに対して反応が鈍くなっていたのが気になりました。相手の正面に立ちすぎているのかもしれませんが、西岡あたりには美味しい選手のように見えました。敗れた堀江ですが、スタミナ切れが痛かったように思います。この選手も右ストレートに頼りすぎるように思います。右ストレートを活かす意味でも左ジャブをもっと覚える必要があると思います。ジャブでリズムがとれるようになればスタミナ切れは起こさないでしょう。まだ若い選手ですから、ジャブを覚えて欲しいと思います。
 その他の試合では8回戦で行われた朝倉vs岡崎戦は、この試合3戦目の岡崎が、3RTKO勝ちを収めました。ただ、勝ったものの全体的に動きが重かったように見えました。ウエイトの問題か、調整の失敗かはわかりませんが、いずれにしても今後に不安を感じた試合でした。

1999年4月5日:後楽園ホール

 熱戦が予想された試合ではありましたが、予想以上の戦いで今年見た試合の中ではベスト・ファイトのように感じました。
 挑戦者の北島は、東京のリングに初登場、個人的には3年ほど前に1度見ており、実力的にはチャンピオンの真部と互角だと見ていましたが、精神面で修羅場を多く経験している真部が有利ではないかと見ていました。試合はレフェリー・ストップがかかる8Rまでほぼ互角の内容でした。サウスポーのチャンピオン真部が左ストレート右フックを決めれば、挑戦者の北島は右のストレート、アッパーで応酬する打ち合いが1Rから8Rまで続きました。北島はKO狙いの作戦だったように思いますが、結果論になってしまいますが、真部ペースで戦うことになってしまったように思います。3年前に見た北島はもっと左右の動きがあったように思うのですが、あまりにも正面切って戦いすぎた感じがしました。我慢比べの試合になればやはり経験のある方に流れがいってしまうのは仕方のないことでしょう。プロ入り初の黒星を喫した北島ですが、パンチ力、テクニックとも真部に劣っていたとは感じませんでした。ただ、やはり経験とハートの差で負けた感じがしました。この敗戦を糧にして更なる飛躍ができる選手だと思います。再起を期待したいと思います。
 一方、3度目の防衛に成功した真部ですが、さすがベテランといった感じで、巧く相手を自分のペースに巻き込んだ感じがしました。苦労して手に入れたタイトルを簡単には手放さないという気持ちが、強く感じられるボクシングは賞賛に値するものだと思います。しかし、いつものことですが、今回の試合でも打たれすぎという感じはします。年齢的にも極力ダメージを受けないボクシングを心がけないとこれから先、タイトル防衛を重ねていくことは厳しくなるように思います。世界から見ればレベルは低いですが、北島以外にも世界ランカーの石井をはじめとして、福島学、千里馬哲虎、佐藤修といった同じような実力を持った選手がひしめいているだけに、苦しい試合の連続となることは間違いないことなのですが、今のボクシング・スタイルを変えろと言っても難しいかもしれませんが、打たせない工夫はして欲しいと感じました。
 セミファイナルには、6月に空位の王座決定戦出場が決まっている松倉が、フィリピンの選手と対戦、相手の攻撃にロープに詰まるなどディフェンス面での不安は感じましたが、パンチの切れは以前のものに近づいてきており、完全復活が間近ではないかと感じました。次の相手の柳光は、パンチはないがスピードのある選手だけに、松倉にとってはやりにくい選手だとは思いますが、松倉のプレッシャーをかわしきれるとは思いません。松倉がタイトルを奪還する可能性は高いように感じました。
 その他の試合では、昨年の全日本新人王を獲った3選手が登場しました。6回戦に登場した安田は、相変わらず決め手のないボクシングで、昨年東日本スーパー・ライト級新人王の佐々木基樹にKO勝ちしたことのある佐藤剣治と引き分けに終わりました。また、8回戦に登場した宮田ジムの2選手は、フライ級の内藤はまずまずのボクシングだったものの、スーパー・フェザー級の大串は、試合に集中してない感じを受けたのが気になりました。

1999年4月4日:ツインメッセ静岡

 三津山ジム期待の日本ランカー、飯田、村越の両選手が1RKO勝ちを収めました。メインに登場した村越ですが、ノーランカーの平山を立ち上がりから攻めたてて昨年10月のアル・タラソナ戦に続いて1RKO勝ち。あまりの早い決着に地元とはいえ、不満の声がチラホラ聞こえました。相手が格下とはいえ、最近なかなか勝てなかったサウスポーの選手を粉砕したことは、6月に行われる空位の王座決定戦の勝者への挑戦を目論む村越にとっては良かったと思います。ただ、サウスポーとの対戦した時、相手の右が飛んでくると頭を下げてしまう悪い癖が出ていました。接近するために体を沈めるの構いませんが、その時、目線まで下げるのではなく、必ず相手を見ているようになれば、サウスポーにも持ち前の強い左フックをもっと楽に決めれれるように思います。敗れた平山ですが、力差がありすぎてかわいそうな感じでしたが、折角のチャンスなのですから、せめて気持ちだけでも攻めるところを見せて欲しかったように思います。
 セミファイナルに登場した飯田もフィリピンの選手に1RKO勝ち。これで3連続KO勝ちとなりました。元々巧いボクシングをする選手ではありましたが、パワーもついてきており日本タイトルに挑戦すればかなりやりそうな感じがしました。ただ、パワーがついた分、攻めの粗さが目立ってきたのが気になりました。打たれ強い選手ではないだけに、今回みたいに強引な攻めはどうかと思います。チャンスでたたみかけるような攻めは大切なことですが、今回のような強引な攻めをすると逆にピンチを迎えることになりかねません。大胆さの中に細心の注意を忘れないで欲しいと思います。3連続KO勝ちということは忘れて、飯田本来のスピードを生かしたボクシングに磨きをかけて欲しいと思います。
 その他の試合では、去年、陽光アダチから移籍してきた寺本が、九州からやってきた宇治橋をボディ攻めで攻略、2月の試合に続いてKO勝ちを収めました。12月の試合を見ましたが、それからわずか4ヶ月ですが、急成長を感じた試合でした。ただ寺本も飯田同様パンチがある選手ではないですから、パンチに頼るボクシングではなく、スピードとタイミングに磨きをかけて欲しいと思います。また、4試合行われた4回戦ではこれといって目立った選手はいませんでしたが、3RKO勝ちした小林のパフォーマンスにあきれてしまいました。勝ったとはいえ基本がまるで出来ていない選手がたまたま勝ったという試合。今のボクシングが通用すると思ったら大間違い。トレーナーや会長の言うことを聞いて今のうちに基本を身につける必要があると感じました。